2014/03/29

本日も残業してBORED TUNED BEARINGの出荷作業をしています。
今回のリニューアルより大幅な性能アップとなった詳細は以前このBLOGでもお伝えしましたが改めてお伝えします。
まず高周波洗浄機で脱脂洗浄を行い完全脱脂状態になったベアリングを特殊な恒温装置で乾燥させます。この時の温度は低温のドライヤー程度ですが、この後で特殊な処理液に浸し酸化を防止する為に空気を抜いた状態である一定の温度でベアリングの金属表面を活性化させます。これにより処理液中の添加剤を効率良く反応させる事が出来ます。
こうして常温まで冷ませたベアリングは既に非常に強靭な皮膜を生成しています。これは元の金属表面硬度のおよそ2倍の硬度です。
これにBOREDのULTIMATEをベアリングの筐体のおよそ40%を目安に注油します。
これがBORED TUNED BEARINGのチューニング作業工程となりますが、もちろん作業中は機械を使いこなすコツや時計を頼りにする以外の独自なタイミングもあります。
既にBOREDがTUNED BEARINGを始めてから11年目に突入しましたが、当然この辺りのノウハウや使用してる油脂類は完全に企業秘密となります。
未だにBOREDではグリースが充填された既製品のベアリングに必要性を感じていません。確実にオイルの注油で問題ないと自負しています。
もちろん普通に脱脂し市販のオイルを注油しただけのベアリングとは別次元の耐久性と油膜寿命になりますし、それはチューニングでなく注油です。
そもそも一般的にはベアリングの精度や材質を向上させる事ばかりに目が行っています。ABECやJISの精度等級を上げたところで、ドライ状態ならともかく注油された状態ではまず違いは分からないでしょう。それに精度はあらゆる方向に対して存在しています。単に精度が高いと言ってもどの方向に対してどれだけ高いのか。そこまで行くとそもそもそのベアリングを圧入する方法や装着するパーツの精度など、永遠と追っかけっこで精度を求めて行く結果になります。
それよりも日本国内メーカーで厳しい基準をクリアした汎用規格の精度のベアリングを、ハード側でなくソフト側となる油脂類と表面処理により性能をアップさせた方が段違いに安上がりとなります。
現にベアリングに使用されている材料の鋼はSUJ2などが一般的です。非常に硬度が高く精度の狂いも少ないベアリング専用の鋼です。これにBOREDの表面処理を行なうとセラミックまでとは行きませんが、元のSUJ2の2倍近く硬度が上がる事になります。
これは既製品のベアリングと比較すれば確実に体感出来る違いです。
現在もBOREDでは自転車だけでなく他の業界へもベアリングを販売しています。あくまでも自転車に近い荷重を想定し、その範囲内であれば他業種でも十分通用しているスペックです。
ゼヒ一度BORED TUNED BEARINGを装着し回転性能や耐久性を実感してみて下さい。