2014/10/15

BOREDでは毎回別注製品を生産するに当り相当な時間と手間を要しています。
その行程としてまずは用途や仕様を想定した大まかなデザインを行います。基本的にデザインは平面上で行いますが、当然ながら頭の中で立体的な物としての動きを想像しながらデザインをしています。この時点から業者との打ち合わせを開始しデザインを考慮した上で素材の選択を行いますが、これは実際に素材を取り寄せてから質感や色身なども含めたスペック的な内容を様々な視点から確認します。そこから更に打ち合わせや検討を行いようやく適した素材を使用する前提でサンプル製作の下準備が整います。
そのサンプル製作は上記デザインを元にして製作しますが、その過程でも多数変更箇所が出て来ます。その度に大元のイメージと異なっていないか、イメージと違う場合は再度検討し変更する場合もあれば他の方法を見出し採用する事で継続出来る場合もあります。
ここまでの段階で相当の時間を費やしていますが、ここまで来てもまだ製品化するには不足している情報や見落としていた問題などが多々あります。これは実際にサンプルを製作する行程で現れる場合が多いので、解決策としてはとにかくサンプルを製作してみるしかないのですが、これを業者で製作する場合には当然金額が発生します。なので資金潤沢な大企業でも無い限りは極力このサンプル製作を行うまでに時間と手間を費やす事になりますが、そこで重要となって来るのが依頼した業者のスキルやノウハウです。
そしていよいよサンプル製作に移る事が出来ますが、サンプル製作においては冒頭で書いたイメージどおりに仕上がっているか、外観や寸法などが図面どおりに仕上がっているか、そして実用し強度や感触などに問題がないか、更に加えるべき変更点がないか等を検討して行きます。
ここまで来ても上記サンプルをそのまま製品化する事はまず有り得ません。そこから更に調整や修正を繰り返しようやく製品とほぼ同一の最終サンプルを製作するに至ります。
現在RESISTANTへ生産依頼を行っているBORED VITALよりリリース予定のバックパックですが、上記をリアルに実行した非常に時間と手間のかかった製品となります。近日中に最終サンプルとしての実物をお見せ出来ると思いますが、大手メーカーの比較的高級な部類に入るバックパックと比較し素材は当然ながら性能や機能においても全く引けを取らない製品と自負しています。
MYSTERYRANCHMISSIONWORKSHOPなどなど、世間には独自の世界観を表現した比較的高価なバックパックも多々存在していますが、BORED VITALがターゲットとしている物はあくまでもアウトドア、バイシクル、ミリタリー、ワーク、フィッシングなどの影響を受けて来た自らのシーンを融合させた形となり、あらゆるファブリックの適材適所な選択とハンドメイドに拘る頑強な縫製や丁寧な仕上げをベースとして極力シンプルながら機能的に仕上げた製品を目指しています。生地の縫製方法や各種材料の配置など何度もトライ&エラーを繰り返し数ミリ単位で決定したアッセンブルは全てにおいて理由が存在しています。
上記を加味するとバックパックとしてのベンチマークは登山用のハイエンドテクニカルバックパックが妥当となり、形状や素材の選択はそれらを参考にしながらも安易なサンプリングでは無い完全なオリジナリティを追求しました。
初お披露目となる画像のファブリックは今回採用しましたUL系素材のX-PACです。他社メーカーでも既に採用実績の多い安定したUL素材ですが、BOREDとRESISTANTに共通するタフさを重視し、ただ軽量なだけではなく上記他社メーカーで採用されている一般的なX-PACよりも厚みを持たせ更にリップストップ加工が施された非常にレアな素材を採用しました。X-PAC特有のダイアモンド型クロスにグリッド状のリップストップが組み合わさっているのが確認出来ると思います。現時点でこれと同一の素材を使用したバックパックは存在していないと思います。
これら以外にも最強の引裂摩耗強度を誇るバリスティックナイロンや超軽量な防水素材のスピンネイカーなどを適材適所に組み合わせ、UL系素材をメインに採用しながらもMILSPEC系素材も上手く組み合わせ非常にタフなバックパックへ仕上がっています。
生産ロットの都合や材料調達の影響が安易に価格へ反映される事の無い様、極力効率の良い仕入れを行い上記メーカーよりもコストパフォーマンスに優れた製品とする為に検討していますが、純粋に製品だけを見た場合の判断でも価格以上の製品に仕上がると自負しています。
さて、今回のバックパックを発売するに当り製品を直に見て触っていただける様、BOREDとしては初となる展示会を企画しています。BORED VITALからはバックパック、ダマスカスナイフ、オリジナルサーマルロングスリーブを。BORED METHODからは別企画として進行中のオイルラインナップや他社の別注オイルを。そして過去従来のBOREDとして金属加工スキルをベースとした他のアイテムもご覧いただけるでしょう。
この展示会では事実上先行受注会も兼ねて個人のお客様は当然ながら現ディラーや他のバイヤーの方々などどなたでも参加いただける形態となります。
詳細は追ってお伝え致しますが大まかに11月中の週末開催を予定していますので、興味ある方は是非足を運んでいただければと思います。