2015/12/16

昨日の発売&入荷となりましたBORED METHOD新製品の低粘度グリスLDGとTHGですが、本日16日よりデリバリーを開始致しました。
BOREDとしては数年ぶりに発売するオリジナルグリスとなりますが、既に予想を越えるペースでご注文をいただいています。
世間でセオリーとされているグリスの概念ではしっかりと保護潤滑を行いたい場合には高粘度なグリスを使いましょうと言う事になる様ですが、自転車のメカニックとして10年以上プロライダーやメッセンジャーなどのチューニングに携わって来たBOREDとしての概念は全く異なります。
いくら半固形状のグリスであると言ってもグリス自体を流動させる事が必要です。その流動性が大きければグリスが流れ出してしまう事になりますが、逆に流動性が小さければグリスが周辺に押し出された状態で無意味な箇所に留まり酸化してしまいます。
そこである程度の流動性を確保しながらも加えて粘着性を上げてやる事で、常にグリスが流動している状態を作り上げ、それが「低粘度高粘着」となりBOREDが以前から提唱し続けて来た概念となっています。
そもそもグリスは非ニュートン系である必要があり、X軸Y軸に関係なく潤滑させる事を目的として半固形状となった訳で、そうでなければオイルで良い事になります。その非ニュートン系の低粘度高粘着を大袈裟に表現した物がLDGとTHGになります。
フルにシールドされグリスで満たされた状態などを除けば、BOREDのグリス概念はあらゆるオープン状態で確実な潤滑保護を行えると思います。そしてオープン状態であるからこそ、酸化し難く温度変化に強い材料を使用し極力長期に渡り潤滑保護を行える目的としました。
さて、先日よりLDGとTHGの成分的な詳細はお伝えして来ましたが、BORED METHODとしてのターゲットはバイシクルとフィッシングリールです。
いずれの場合でも使い切れる容量を検討した結果、25g入り税込¥1200とする事で比較的高価となるセミシンセティックのリチウムコンプレックスグリスとしながらもお求めやすい価格設定となりました。とは言え容量から換算すると十分な高級グリスとなりますが、ベースオイルを除いてもLDGで添加剤配合割合が約20%、THGで添加剤配合割合が約23%と非常に高割合で配合していますので、一般品と比較して高価となってしまうのはご理解いただけるかと思います。
個人的にサンプルを使用して来たインプレッションとして、自転車の場合はカセットハブのラチェットにTHGが非常に調子良く、その粘度からオイルとグリスの中間的な存在として確実に摩擦摺動箇所の保護潤滑を行う事が出来ます。
また、オイルでは不安だと言う方にはハブのベアリングにLDGを使用していただく事で、市販のグリスよりも粘度抵抗が明らかに低減され回転自体が非常にシルキーかつスムーズな印象となります。
そしてフィッシングリールにおいてはTHGを内部ギアに使用していますが、やはり半固形状の利点としてリーリング時の振動などが激減し、油膜で覆われているイメージが非常に分かりやすいと思います。
自分の場合はドラグを一切使用しませんが、LDGはドラググリスとして使用するにも最適な粘度となるでしょう。
その他オールドリールなどのクラッチやワンウェイベアリングなどのオーバーホールにもLDGとTHGはかなり活躍出来ると思います。
回転や潤滑に適した箇所にはマスタードカラーのLDGを、摩擦や荷重に適した箇所にはピーナッツバターカラーのTHGを、もちろんLDGとTHG同士を混合する事も可能となり、BORED METHODオリジナルオイルとの混合も可能なカスタムベースとしてもご使用いただけます。
引き続きBORED METHODがコンセプトとする塩素、重金属、固形物質は一切使用していませんので、環境にも人体にも安全なグリスとなっています。
毎回の事となりますが初回生産分は非常に少量となりますので、是非お早目にBORED STOREまたはBORED METHODお取り扱いDEALER各店までお問い合わせいただければと思います。