2015/12/04

BORED METHODの新製品として近日中にグリスを発売する予定です。
現在テスト段階となりますが、このグリスはBORED METHODのコンセプトであるユーザー自身で混合カスタムが出来る材料的使用をターゲットとして設計しています。
一般的にグリスとはベースオイルの割合が70〜90%ほどで、残り30〜10%はそれぞれ添加剤と基剤になります。つまりグリスの性能を左右する場合においても多くの割合を締めるベースオイルの性能が重視され、同じく添加剤の性能や割合も同様になります。他の基剤とはグリスを固形化する為の増稠剤と言われる物で、一般的にはリチウム石鹸などが主流となり、この増稠剤の種類や成分も用途に大きく影響します。
グリスのマイナス点としては環境や温度に対し変化が大きいと言う事があり、熱による粘度の変化が比較的大きく、また、連続する摩擦や荷重などにおいて油分の構造が細かく剪断されてしまいオイルとの分離などが発生してしまいます。
これらグリスのマイナス点を理想レベルまで解決出来なかった事からBORED METHODではグリスをラインナップする事を一旦止めてしまいましたが、それはあくまでもBOREDがオーバースペックな物を追い求めた為であり、一般的にはグリスのプラス点である飛散が少ない半固形状であると言う点だけでも使用する意味はあります。
さて、今回発売予定のグリスは2種類となり個々に基本特性を変えています。
1つ目は流動性を重視したリチウムベースの物、2つ目は耐久性を重視したコンプレックスリチウムベースの物となり、いずれもBORED METHODのコンセプトとしている極圧性と減摩性を含んでいます。もちろんバッテイングする事なくBORED METHODオイルを混ぜ合わせてお好みの粘度や特性をカスタムする事が可能です。
主なターゲットはやはり自転車と釣と言う事になるでしょう。
自転車においてはヘッドやボトムブラケットのベアリングやリテーナー、シートポストやステムなど。縦方向から水の侵入しやすい箇所や連続する摩擦や荷重の大きな部分と言う事になります。
そして釣の場合はやはりリールのギアやベアリングがメインとなりますが、細かいパーツの集合体であるリールにおいては頻繁に分解洗浄を行う事が困難となりますので、長期的に保護潤滑させるべき箇所にはグリスを使用する事はセオリーでもあります。
もちろんこのグリスを単体使用する事も可能ですが、他のBORED METHODオイルと混合カスタムする事を念頭に生産します。なので、使い方の目安として、基本的に粘度の低粘度化と流動性を求める場合にはLIGHT DUTYとの混合を、粘着性の追加と飛散防止を求める場合にはTHICK HEAVYとの混合を、極端なペースト状まで低粘度化させたい場合にはKRAKENやGOLYATとの混合を推奨しています。
2種類のグリス共に親和性の高いリチウムを増稠剤としていますが、ベースオイルにはエステル化学合成油と高度精製油をブレンドしたセミシンセティックを採用しました。
セミシンセティックにした理由はまず価格の問題があります。冒頭の様にグリスの70%〜90%を占めるベースオイルを全て化学合成油にしてしまうと非常に高価になってしまいます。それにグリスの特性上物理的な付着効果が常に得られている事もあり、100%化学合成油である必要はないと判断しました。
最重要視している点は低粘度グリスである事と固形ながらも流動性に優れているバターの様な質感をイメージしていると言う点です。あまり高粘度すぎるアンコの様な質感だと遠心力で飛散したままの状態となり無意味な箇所に固まってしまいます。これは最大限避けたい要素です。
約20g〜25g入りの少量容器にて販売を予定していますが、これは冒頭の様にBORED METHODオイルとの混合カスタムをターゲットとした材料的な要素を含む事からとなります。
価格もなるべくリーズナブルに提供出来る様に現在調整中となりますので、近日中に改めてインフォメーション致します。