2016/02/25

BORED METHODのオリジナル製品という位置付でBORED立ち上げ当初から存在している自転車用ハブのBORED SEALD TUNED BEARING達。
現在も変わらずに国内ベアリングメーカーのNTN社製の非接触型ベアリングを使用してチューニングを行っています。
その工程として、もう長年の付き合いとなるベアリング商社から仕入れた物を先ずは分解する事から開始しますが、もう目を瞑っていてもゴムシールを傷付ける事なく取り外す事が出来る位な熟練っぷりになりました。
ゴムシールを取り外したベアリングは第一洗浄として揮発性浸漬溶剤へ丸一日漬け込みます。軟化した既存グリスはこの時点でほぼ無くなっていますが、更に噴射により目に見える残りの油分を取り去って行きます。その後は業務用高周波洗浄機を用いて特殊な洗浄液内にて洗浄を繰り返し、目に見えない油分まで完全に洗浄します。
完全洗浄されたベアリングは直ぐに恒温装置内にて温風乾燥を行いますが、この時に指定した温度まで加熱を行います。もちろん熱処理された合金であるベアリング筐体を侵す事のない温度範囲での加熱となりますが、この作業が一つのキモとなる大事な作業です。
完全なドライ状態のベアリングにBORED METHODの独自配合で専用設計したオリジナルオイルを注油します。添加剤の反応速度を促進し熱膨張による公差を利用しての注油となる為に非常に浸透性に優れた注油を行う事が可能となり、その為の加熱処理となっています。最後は時候処理を経てゴムシールを装着し直せば完成です。
シールドベアリングの潤滑にはグリスではなくオイルが適していると13年間唄い続け、ストリートBMXライダー、競輪選手、メッセンジャー、実業団ロードチームなど様々なジャンルのベアリングで使用して来ました。
その中でも特に一番過酷な用途の代表としてはメッセンジャーバイクがあります。雨の日も雪の日も都内を1日で100km近く走行し常にストップ&ゴーを繰り返すライディングパターンはメッセンジャー独自の物でしょう。
その確実な成果としてCMWCやECMCなどの世界大会でもサポートライダーが優勝や入賞を収める事が出来ました。これらの成果は当然ながらライダーのスキルが一番貢献しているのですが、車体として一番重要と考える足回りのチューニング効果はライダーのスキルに付随または相乗する要素の一部と自負しています。
誤解も多いのですがBOREDのSEALD TUNED BEARINGは高回転を目的としていません。高回転なのはグリスからオイルへ変換され、粘度抵抗が減る事による効果となり、あくまでもタフでフリクションロスの少ない油膜を求めた結果からのチューニングになります。
この実績から自転車以外の用途に応用出来ないかとの事で、現在も国内の電気自動車エコランレースでも使用していただき、2010年からの使用開始からこの度2015年度は総合優勝する事も出来ました。
このベアリングチューンを行う目的でオリジナル製作を開始したのが、そもそもBOREDがオリジナルオイルを生産する基盤となっています。
BORED立ち上げから13年の間、オリジナルオイルとチューンドベアリングを継続生産及び販売を続けている事がBORED METHODの意思であり、現在では粘度や添加剤の見直しから自転車だけでなくフィッシングリール、スケートボード、ラジコンなどでもご使用いただいています。
引き続きBORED METHOD製品はBORED STOREまたはBORED METHOD取り扱いDEALER各店にてお買い求めいただけますので、是非一度お試しいただければと思います。