2016/09/21

BORED METHODでオリジナル生産しているグリスは低粘度のみに限定しています。
グリスの粘度については「ちょう度」と言う数値で表しますが、比較的アバウトな規格数値となるので余り拘る必要はありません。ただ、粘度の目安程度に考えていただければ良い数値かと思います。
一般的に目にするグリスのちょう度は2番が多く、数値が上がるほど粘度が高くなり重たいグリスとなります。逆に数値が下がれば粘度は低くなり軽いグリスとなりますが、規格上では000番までしか存在していません。なので2番以上は高粘度で1番以下は低粘度と考えていただければ問題ないと思います。
さて、ではBORED METHODのLDGとTHGにおいては何番なのかと言えば、市販品と比較した場合は000番と表示するべきなのですが、敢えて0番と表示しているのは上記の様に特に数値に拘る意味がないからです。
それよりも日本語表記の方がピンと来るかもしれませんが、0番以下は半流動状と表記したりします。つまりは塗布しても流動してしまう程の超低粘度と言う事です。
BORED METHODでは固形状のグリスとなる2番以上には興味を持っていません。グリスは半流動状であるべきと考えています。
オープン状態の完全に内部が露出し屋外使用を前提としている物には完全に不向きですが、例えばサイクルユースで言えばカセットハブのラチェットやハブのシールドベアリングなどはそもそも構造上シールドされています。また、フィッシングリールにおいても先ずはリールの筐体自体でカバーされており、更に内部のギアボックスやシールドベアリングなども当然シールドされています。
そうは言っても水分の混入は必ず起こり、それ以外でも必ず部品は消耗や変形を起こすので、こまめなメンテナンスが絶対に必要となる訳です。
要するにメンテナンスを前提としているにも関わらず、防御力や耐久性をアップさせる目的で安易にグリスの粘度を高くするよりも、回転や潤滑などの本来の性能を発揮させる方向へターゲットを絞った方が良いだろうと判断したからです。
特にラジアル方向への動きが多いシールドベアリングなどにおいては遠心力でグリス自体が飛散してしまいます。つまりは肝心の潤滑させたい部分には少量しかグリスが付着していない状態となり、その周辺には無駄な大量のグリスが固まっている状態。誰もが目にした事があるかと思いますが、これはグリスの粘度を高めても絶対に回避出来ません。
それを回避する為には全てをグリスで満たしてやれば済みますが、当然ながらグリスで満たされた筐体内は潤滑するどころではなく重く動きの鈍い状態となってしまいますし、なによりも物理的に不可能です。
それならば逆の発想で飛散してもすぐに流動させてやれば良いと言う考えがBORED METHODのLDGとTHGです。
グリスのレスポンスを良くする為に超低粘度化させ、更にグリスの粘りを示す粘弾性を持たせてやる事でグリス同士が飛散分離し難い状態となり、お互いにくっつき合おうとする力が加わります。これは回転または摺動している場合に限り、垂直方向だけでなく水平方向へも同時に運動を見せる為、例えるなら傘の様な形状でX軸Y軸を同時に潤滑し、これにより確実な油膜切れを防止する事が出来ます。
THGは主に摩擦や荷重の多い部分を対象としています。最近のノッチ数が多いラチェット部やマイクロモジュール化したギアなど、より精密で摩擦の多い部分への用途向けに設計しています。
LDGは主に回転や潤滑を目的としています。シールドベアリングやドラグワッシャーなどの滑りを重要視させたい部分に最適な用途向けに設計しています。
工業機械や産業機械の様に365日24時間稼働させている状況であれば話しは別ですが、サイクル、フィッシングリール、スケートボード、ホビーなどの用途で使用するには十分対応可能と考えています。
もちろんグリス自体の成分で見ても完全なオーバースペックな物となっているのは相変わらずですが、生物や環境に有害な塩素や重金属をはじめ固形添加剤を一切配合していない点もBOREDのポリシーです。是非一度お試しいただければと思います。
お買い求めはBORED METHODお取り扱いDEALER各店またはBORED STOREよりお待ちしています。